認知行動療法を受けられる場所は、以前よりも増えています。
しかし、全国どこでも受けられる場所があるわけではありません。探す方法や料金相場などを知らない場合、受けたくてもどうしたらいいかわからなくて困りますよね。
この記事では、認知行動療法を受けられる場所や探し方、料金相場や実施期間について解説します。
臨床心理士/公認心理師
いけや さき
心理職として精神科病院や心療内科クリニック、児童発達支援事業所での勤務を経て、現在はフリーのカウンセラー、児童精神科の心理士として活動中。またマインドバディ株式会社をはじめとする複数の会社とライター契約し、心理学やメンタルヘルス、ライフスタイルに関するライター活動も行っている。
認知行動療法(CBT)を受けられる場所を探す前に
認知行動療法は、心理療法のなかでもエビデンスに基づいているため、わかりやすく取り組みやすい方法です。
一般の人にも適した方法なので、医療機関以外でも受けられる場所はあります。まずは受けられる場所を探す前に、認知行動療法の理解を深めていきましょう。
認知行動療法とは
認知行動療法とは、うつ病や不安障害など、精神疾患を抱える患者の治療法として誕生しました。
もともとは医療機関で実施されていましたが、現在は不安やストレスを減らしたい一般の人にも適しているといわれています。
英語ではCognitive Behavioral Therapyと表記することから、CBTとも呼ばれているので覚えておきましょう。
CBTは、私たちの出来事に対する捉え方(認知)と行動に働きかけ、つい思い浮かぶ考え(自動思考)の修正を行う心理療法として信頼されています。
認知行動療法の種類
認知行動療法の方法は1つではありません。
たとえば、次のような方法があります。
・認知再構成法(コラム法)
出来事に対する捉え方を把握し、考え方の修正を行う
・マインドフルネス
「今、ここ」に意識を向け、気持ちを落ち着かせ客観的な視点を得る
・曝露療法(エクスポージャー法)
苦手な場面やストレスになりやすい状況に少しずつ慣れる
アプローチの仕方は異なりますが、認知と行動に注目し、段階的にネガティブな反応を減らしていきます。
認知行動療法を受けられる場所3選
認知行動療法が受けられる場所は、以下の3つの分類に分けられます。
②カウンセリングルームや専門機関
③オンラインカウンセリングサービス
どのような場所なのか、詳しく解説しますので、ご自身に合う場所を探してみましょう。
受けられる場所①:精神科や心療内科など医療機関
認知行動療法は精神科や心療内科で受けられます。
すべての病院やクリニックで受けられるとは限らないですが、まずは近隣で探してもいいかもしれません。
しかし、徒歩圏内でアクセスのいい場所を求める人もいれば、知り合いに会いたくないから電車で通いたい人もいるでしょう。院内の雰囲気や料金だけでなく、アクセスなども考えながら、探してみてくださいね。
受けられる場所②:カウンセリングルームや専門機関
認知行動療法は、カウンセリングルームや専門機関でも受けられます。
カウンセリングルームなら、精神疾患を抱えていない方も利用可能です。
カウンセリングルームや専門機関とは、臨床心理士や公認心理師が運営している相談施設のこと。すべての施設が認知行動療法を受けられる場所ではないので、必ずHPで確認しましょう。
受けられる場所③:オンラインカウンセリングサービス
もっと気軽に認知行動療法を受けられる場所が「オンラインカウンセリングサービス」です。
インターネットがつながる電子機器があれば、どこでも受けられるため、時間の融通も効きやすいでしょう。オンラインカウンセリングには次の4種類があります。
・電話カウンセリング
・メールカウンセリング
・チャットカウンセリング
カウンセリング自体はどの方法でも行われていることが多いですが、認知行動療法はビデオカウンセリングが主流です。
認知行動療法を受けられる場所の4つの探し方
認知行動療法が受けられる場所を紹介しました。
しかし、調べ方や受けられる場所の見分け方がわからない人は、おそらく多いのではないでしょうか。
認知行動療法が受けられる場所を探すには次の4つの方法があります。
②日本臨床心理士会のサイトから探す
③徒歩圏内のクリニックを調べる
④オンラインカウンセリングサービスを検索する
上記の方法で自分に合う施設を探してみてくださいね。
探し方①:届出医療機関一覧から探す
認知行動療法マニュアルを公表している厚生労働省は「認知療法・認知行動療法の届出医療機関一覧」も発表しています。
現在公表されている以下の情報は、令和4年3月時点の医療機関です。受診する前に、クリニックや病院のHPをあらかじめ確認しましょう。
・北海道
・東北地方
・関東・信越地方
・東海・北陸地方
・近畿地方
・中国・四国地方
・九州地方・沖縄県
ネットで検索すると、東京都や埼玉県など関東地方のクリニックばかりが出てきます。上記の情報で探せば、お近くのクリニックが見つかりやすいかもしれません。
探し方②:日本臨床心理士会のサイトから探す
認知行動療法を臨床心理士や公認心理師から受けられる場所を探すなら「臨床心理士に出会うには」というHPから探す方法もあります。
「臨床心理士に出会うには」のHPで認知行動療法が受けられる場所を探す流れは以下の通りです。
2.希望の都道府県にチェック
3.該当項目をチェック
4.「検索する」の下をスクロールする
5.「さらに詳細を絞りこむ」で「認知行動療法」にチェック
条件を「東京都」と「認知行動療法」のみで検索した場合、90件ヒットしました。
カウンセラーの性別なども絞れるので、自分に合う場所を探してみてください。
探し方③:徒歩圏内のクリニックを調べる
ご自宅周辺の心療内科や精神科のHPを見てみる方法もあります。
通いやすさを重視する場合、徒歩圏内で通院できるクリニックや病院の方がいいかもしれません。
認知行動療法は1回で完了することはほぼない心理療法なので、基本的に複数回通うこととなります。電車で通う場合、交通費や移動時間も必要となるので、近くにクリニックがある人は一度HPを見てみましょう。
探し方④:オンラインカウンセリングサービスを検索する
インターネットで「認知行動療法 オンライン」と検索する方法もあります。
オンラインカウンセリング「マインドバディ」は、国家資格である公認心理師が認知行動療法をオンラインで提供してくれるサービスです。
特にほかのサービスと異なる点は次の2つがあります。
・ビデオカウンセリングとアプリをセットにしている
・アムステルダム自由大学の研究で効果が立証されたアプローチを採用している
アムステルダム自由大学のアプローチは、対面形式と同等の効果があるとされているため、より本格的なCBTを受けたい人におすすめです。
認知行動療法の料金や期間は?受けられる場所探しの参考に
認知行動療法を受ける際、料金や期間も気になりますよね。
認知行動療法やカウンセリングの料金は、どの施設も同じではありません。ここでは認知行動療法の料金相場や一般的な期間などについて解説します。
認知行動療法の料金相場
認知行動療法の料金相場は、1回につき5,000〜15,000円程度です。
病院やクリニックで、医師・看護師のもと認知行動療法を受ける場合は、保険適用になることもあります。まだ保険適用できる医療機関は少ないですが、費用を最小限に抑えたい人は保険適用可能なクリニックを探すといいでしょう。
認知行動療法の実施期間・時間
実施期間は5〜20回以内が平均的。週1回もしくは2週間に1回程度、30〜60分かけて行われます。
マインドバディでは、12〜16回を目安にセッションが構成されていますが、必要に応じて回数の調整が可能です。
認知行動療法の担当は医師?カウンセラー?
認知行動療法は、精通した医師が実施することもありますが、多くの場合は臨床心理士や公認心理師が行っています。
ただし、認知行動療法を勉強している医師が診察内で簡易的に実施することもあるようです。診察内の認知行動療法は、一緒にじっくり考えるよりも話を伺ったうえでホームワークを出す形が多いといわれています。
認知行動療法を受けられる場所に関するよくある5つの質問
認知行動療法を受けられる場所へ行く前に、よくある質問を確認しておきましょう。事前に疑問を解消しておくことで、自分に合う場所を見つけやすくなります。
②受けられる場所によって内容は変わりますか?
③受けられる場所が近くにない場合、セルフでも可能ですか?
④認知行動療法に向かない人もいますか?
⑤認知行動療法は家族だけが受けられる場所もありますか?
質問①:受けられる場所によって保険適用は可能ですか?
保険適用で認知行動療法が受けられる医療機関はまだ少ないことが現状です。
認知行動療法を医師が実施するには、指定の研修を受ける必要や治療計画の作成などをしなくてはなりません。
通常業務をこなしながら、研修を受けて計画を立てることはなかなか困難でしょう。
保険適用を希望する方は、一般社団法人東京精神神経科診療所協会のサイトを参考に探してみてください。
質問②:受けられる場所によって内容は変わりますか?
受けられる場所や実施する人、認知行動療法を受ける側によって内容は異なります。
医師・看護師が実施する場合、厚生労働省のマニュアルに沿って行うことが決まりです。
一方、臨床心理士や公認心理師が実施する際は、マニュアルに沿うこともあれば、相談者さまの希望や状態に応じてカスタマイズする場合もあります。
質問③:受けられる場所が近くにない場合、セルフでも可能ですか?
認知行動療法はセルフでも可能です。
ただし、専門家と共に行うときと同じ効果が得られるとは限りません。考え方の修正には、視野を広げることが必要ですが、1人で考えると視野は広がりにくくなります。
セルフで行う認知行動療法については、関連記事がありますので、ご参照ください。
質問④:認知行動療法に向かない人もいますか?
認知行動療法は次の特徴に当てはまる人には向いていません。
・環境調整が整っていない
・受け身状態
・自分に厳しすぎる
・言語化への苦手意識が強い
・精神状態が著しく悪化している
しかし、精神状態が著しく悪化している人以外は、認知行動療法実施の前にカウンセリングで気持ちを整理したり、動機づけ面接などを行うことは可能です。
質問⑤:認知行動療法は家族だけが受けられる場所もありますか?
患者さんが治療に拒否的な場合など、家族だけがカウンセリングを受けるケースはあります。
認知行動療法は、家族の方が患者さん本人とのコミュニケーションが上手くいっていない場合などに実施する可能性はあるでしょう。
しかし、すべての相談施設で家族だけが受けられるとは限りません。まずは、家族も受けられる場所かどうか相談してみましょう。
認知行動療法を受けられる場所を見つけて快適な生活を目指そう
認知行動療法は、自費診療なら受けられる場所は多いです。
一方、保険適用で受けられる場所は非常に少ないのが現状。1回あたり10000円近くの費用を高いと感じる方もいると思います。
全国どこでも認知行動療法を受けられる場所があるわけではないので、探すだけで疲れてしまう人も多いでしょう。
仕事のあとや休日に認知行動療法を受けたい人は、オンラインがおすすめです。
マインドバディでは、月額¥12,980(税込)で毎週1回、国家資格である公認心理師によるオンラインの認知行動療法が受けられます。
さらにアプリを使ったサポートコンテンツも充実しているので、はじめて認知行動療法を受ける人にも適しているでしょう。
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