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【認知行動療法をもっと細かく】5つの技法の具体例と効果を解説

認知行動療法
更新日:2024/08/22

【認知行動療法をもっと細かく】5つの技法の具体例と効果を解説

認知行動療法について調べていると、色々な技法があることが分かります。自分の悩みにはどんな技法があっているか分からず困る人もいるでしょう。

本記事では認知行動療法の代表的な技法の効果、そしてどのような悩みに適しているかを解説します。

臨床心理士/公認心理師の甘中亜耶

臨床心理士/公認心理師

甘中亜耶

京都文教大学大学院 臨床心理学研究科修了。大学院修了後、発達相談を経験した後、2022年から児童精神科クリニックと保健所に勤務。精神疾患やメンタルヘルスに関して「正しい情報を分かりやすく伝える」をモットーにフリーランスのライターとしても活動している。

目次
認知行動療法(CBT)とは認知行動療法の効果自動思考が認知の歪みを引き起こす認知行動療法はセルフで行える認知行動療法の技法認知行動療法における「コラム法」の具体例コラム法で改善が期待される悩み悩み①:仕事のストレス悩み②:対人関係の不安悩み③:パフォーマンス不安コラム法のやり方認知行動療法における「SST(ソーシャルスキルトレーニング)」の具体例SSTで改善が期待される悩み悩み①:対人関係の不安悩み②:学校や友人関係のトラブルSSTのやり方認知行動療法における「マインドフルネス」の具体例マインドフルネスで改善が期待される悩み悩み①:ストレスの軽減悩み②:不安の軽減悩み:③集中力の向上マインドフルネスのやり方認知行動療法における「アンガーマネジメント」の具体例アンガーマネジメントで改善が期待される悩み悩み①:対人関係のトラブル悩み②:自己制御の向上悩み③:社会的なトラブル悩み④:健康への影響の軽減アンガーマネジメントのやり方認知行動療法における「アサーショントレーニング」の具体例アサーショントレーニングで改善が期待される悩み悩み①:自己主張の不足悩み②:自信の欠如悩み③:ストレスの増加アサーショントレーニングのやり方認知行動療法の具体例を参考に困りごとを解決しよう

認知行動療法(CBT)とは

認知行動療法は、思考(認知)と行動に焦点を当て、2つを変えることで感情や症状の改善を目指す心理療法です。

カウンセラーとの対話を通して、非合理的な思考のパターンや習慣を修正し、より適応的な考え方や行動を身につけます。

認知行動療法の効果

認知行動療法は、うつ病、強迫性障害など、さまざまな精神疾患への効果が認められています。

また、精神疾患以外でもストレスや悩みの改善に役立ち、症状の軽減や生活の質の向上、再発予防に役立ちます。

自動思考が認知の歪みを引き起こす

自動思考とは、パッと頭に浮かぶ考え方の癖。

自動思考が過度にネガティブな場合、認知の歪みを引き起こし、ストレスや不調を招くことがあります。認知行動療法では、自動思考の癖を分析し、適切に修正する方法を学びます。

認知行動療法はセルフで行える

認知行動療法では、セルフでの実践が可能です。

専門家の指導のもとで学んだ技法を、自宅でも継続して行うことで効果を持続できます。

認知行動療法の技法

認知行動療法にはさまざまな技法があります。以下に、代表的な5つの技法を紹介します。

  • コラム法
  • SST
  • マインドフルネス
  • アンガーマネジメント
  • アサーショントレーニング

認知行動療法における「コラム法」の具体例

コラム法は、思考の癖を修正することを目的としています。

コラム法を使用することで、過度にネガティブな自動思考を適応的な思考に変えることが期待できます。

コラム法で改善が期待される悩み

では、具体的にコラム法で改善が期待される悩みについて見てみましょう。

悩み①:仕事のストレス

悩みの例
・思うように成果が出ず、自分は何をしてもダメだと思う
・部下は時々失敗するので能力が低い人だと思いイライラする

職場の出来事でストレスや不安を感じる場合、コラム法で改善が期待できることがあります。ネガティブな自動思考をポジティブに変えることでストレスの軽減を目指します。

悩み②:対人関係の不安

悩みの例
・嫌われないようについ相手の顔色を窺ってしまう
・些細な一言を気にしてとても落ち込んでしまうことがある

友人や同僚との対人関係での不安がある場合、コラム法で改善が期待できることがあります。自身の思考の癖を見直し、より建設的な思考を養うことで、必要以上に不安や被害意識のない状態を目指します。

悩み③:パフォーマンス不安

悩みの例
・人前で発表をする時にドキドキして思うように立ち回れない
・いくら頑張っても満足できず無理をしてしまう

試験やプレゼンテーションなどのパフォーマンスに対する不安がある場合にも改善が期待できます。コラム法を使ってネガティブな自動思考をポジティブなものに変えることで、パフォーマンスへの不安を軽減し自信を持って取り組めます。

コラム法のやり方

コラム法の基本的な方法は以下の通りです。

①自動思考の記録:経験した状況とその時の感情、自動思考をそのまま記録します。
②自動思考の検証:自動思考が現実的かどうかを検証します。
③代替思考の発見:より現実的でポジティブな考え方を見つけます。
④代替思考の適用:新しい代替思考を実際に試し、感情や行動の変化を観察します。
⑤反省とフィードバック:結果を評価し、必要に応じて改善を加えます。

以上のステップを繰り返すことで、ネガティブな思考パターンを適応的な思考パターンに変える習慣が身につきます。

認知行動療法における「SST(ソーシャルスキルトレーニング)」の具体例

ソーシャルスキルトレーニング(SST)は、対人関係のスキルを向上させることを目的とした技法です。

ロールプレイやモデリングを通じて、適切なコミュニケーション方法や問題解決能力を学びます。

SSTで改善が期待される悩み

では具体的にSSTで改善が期待される悩みについて見てみましょう。

悩み①:対人関係の不安

悩みの例
・距離感が近すぎると言われる
・困った時に上手く人に助けを求められない

他人とのコミュニケーションが苦手で不安を感じる場合、SSTを通じてスキルを向上させることで問題の改善が期待できます。

悩み②:学校や友人関係のトラブル

悩みの例
「同じような喧嘩を繰り返している」
「口よりも先に手が出てしまうことがある」

学校の友人関係で繰り返しトラブルを抱えている場合にも有効です。適切なコミュニケーション方法を学ぶことで、トラブルを減らす効果が期待できます。

SSTのやり方

SSTの基本的な手順は以下の通りです。

①目標設定:改善したい具体的な対人スキルや状況を明確にします。
②ロールプレイ:実際の場面を想定した練習を行い、スキルを身につけます。
③フィードバック:ロールプレイ後に、カウンセラーや参加者からのアドバイスを受けます。
④反復練習:学んだスキルを繰り返し練習し、実生活での実践を行います。

主に上記4つのステップを繰り返すことで、対人関係のスキルが身につきます。

認知行動療法における「マインドフルネス」の具体例

マインドフルネスは、今この瞬間に意識を集中させる瞑想法です。

呼吸や感覚に集中し、思考や感情を観察することでストレスや不安を軽減します。

マインドフルネスで改善が期待される悩み

マインドフルネスで改善か期待される具体的な悩みの例について見てみましょう。

悩み①:ストレスの軽減

悩みの例
・忙しい時間が続き、気が張った状態が解けない
・人に気を遣いすぎて疲れ切っている

仕事や生活でのストレスが軽減され、リラックスしやすくなります。例えば、忙しい日々の中で心の平穏を保つ助けになります。

悩み②:不安の軽減

悩みの例
・不安な気持ちから動悸がしてやるべきことに集中できない
・物事が悪い方向に進むような気がしてならない

不安感や心配が減少し、気持ちが落ち着きます。例えば、試験やプレゼン前の緊張を和らげられます。

悩み:③集中力の向上

悩みの例
・仕事を良いパフォーマンスで取り組みたい
・長時間勉強しているとつい集中力が切れてしまう

仕事や学習において集中力が高まり、効率的にタスクをこなす助けになります。例えば、仕事中の集中力を高められます。

マインドフルネスのやり方

マインドフルネスは、静かな場所でリラックスして座り、自分の呼吸だけに意識を集中させます。

思考や感情が浮かんできても、反応せず、ただ観察して呼吸に戻ります。

以上の内容を日常生活の中で意識的に行ってみましょう。

認知行動療法における「アンガーマネジメント」の具体例

アンガーマネジメントは、怒りやフラストレーションをコントロールし、適切に表現するための技法です。

感情の調整方法を学び、怒りが引き起こす問題を減らすことを目指します。

アンガーマネジメントで改善が期待される悩み

では、具体的にアンガーマネジメントで改善が期待される悩みについて見てみましょう。

悩み①:対人関係のトラブル

悩みの例
・言いすぎが原因で友達との喧嘩を繰り返している
・家族との言い争いが絶えない

怒りやイライラからくる衝突や誤解を減らし、より良いコミュニケーションがとれるようになります。

悩み②:自己制御の向上

悩みの例
・感情に任せて振る舞って後から後悔することが多い
・カッとなりやすく、自分を抑えられない

感情をコントロールする力が向上し、自分の反応を冷静に管理できるようになります。結果的に、怒りに任せた行動を抑え、より建設的な判断が可能になります。

悩み③:社会的なトラブル

悩みの例
・店員さんの態度が気に入らないとすぐに噛み付いてしまう
・電車の遅延の待ち時間が耐えられず職員の人に文句を言わなければ気が済まない

公共の場での怒りや攻撃的な行動を減少させ、社会的なトラブルを回避します。例えば、公共交通機関でのストレスや対立を減らせます。

悩み④:健康への影響の軽減

悩みの例
・怒ると体が熱くなりやすい
・イライラして眠れないことがある

怒りがもたらすストレスによって身体的な健康が損なわれることを防ぎます。例えば、血圧の上昇や心疾患のリスクを減少させます。

アンガーマネジメントのやり方

アンガーマネジメントを実践するために、まずは怒りを感じたときには、深呼吸を行いましょう。ゆっくりと息を吸い込み、吐き出すことで心を落ち着かせます。

次に、感情が高ぶったときには、その場を一時的に離れて冷静になる時間を持つことが大切です。

冷静に話すことも重要で、怒りに任せて言葉をぶつけるのではなく、自分の気持ちや意見を穏やかに伝えるよう心がけましょう。

認知行動療法における「アサーショントレーニング」の具体例

アサーショントレーニングは、自分の意見や感情を適切に表現し、他者と建設的なコミュニケーションを図るための技法。

実践することにより、自信を持って自己主張ができるようになり、対人関係の改善やストレスの軽減が期待できます。自分の立場を尊重しながら、他者との関係もより良好に築けます。

アサーショントレーニングで改善が期待される悩み

ではアサーショントレーニングで改善が期待される悩みについて見てみましょう。

悩み①:自己主張の不足

悩みの例
・同僚や上司の顔色を窺って本音が言えない
・買い物で自分の希望が伝えられず、店員さんに流されてしまう

自分の意見や要求をうまく伝えられないことで、周囲との衝突や不満が生じる場合に役立ちます。

悩み②:自信の欠如

悩みの例
・自分の意見に自信が持てず、思っていることを我慢してしまう
・人と話していてもつい求められていそうな言葉を選ぶ

自分の価値や意見に自信が持てないことで悩んでいる人に対して、自己肯定感を高めるのに役立ちます。

悩み③:ストレスの増加

悩みの例
・気を遣いすぎてストレスを抱え込むとヤケ食いしてしまう・抱え込んだ不満がある日爆発してしまう

ストレスやプレッシャーを感じる場面で、自分の意見を上手に伝えられず、気持ちがさらに悪化する場合の改善に役立ちます。

アサーショントレーニングのやり方

アサーショントレーニングでは、まず自分の感情や意見を明確にすることが重要です。

次に、相手に対して自分の気持ちや要求を冷静かつ正直に伝える練習をしましょう。

具体的には「私は〜と思います」など表現を使い、自分の立場を尊重しながらも相手にしっかり伝えることを意識します。

認知行動療法の具体例を参考に困りごとを解決しよう

認知行動療法(CBT)は、さまざまな技法を用いて心の問題にアプローチする治療法です。

コラム法やSST、マインドフルネス、アンガーマネジメント、アサーショントレーニングなど、それぞれの技法には特有の効果と使い方があります。

各技法を自分の悩みに合わせて取り入れることで、より効果的に困り事を解決し、生活の質を向上させるでしょう。

どのような技法が自分に合っているかを見極め、実践することで、心の健康をより良い状態に保つ手助けになります。認知行動療法を上手に活用し、心の悩みを解決していきましょう。

オンラインサービスマインドバディであれば、国家資格を持った経験豊富なカウンセラーと相談して自分に合った認知行動療法を受けられます。

つらい気持ちで悩んだり不安になったりする人は、検討してみてはいかがでしょうか。

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