「カウンセリングを受けたいけれど、お金がない」と悩んでいませんか。
実は、お金がなくてもちょっとしたコツや受け方を工夫するだけでカウンセリングは効果的に受けられます。
本記事では、カウンセリングを安く受ける方法と、お金の無駄を避ける方法をご紹介します。
カウンセリングの平均料金は?
カウンセリングを受ける際、まず気になるのが料金ではないでしょうか。
カウンセリング料金は、初回面接と継続セッションで異なることが一般的です。本章では、それぞれの平均的な料金について説明します。
初回面接の料金
初回面接の料金は施設や地域によって異なりますが、一般的な目安を知っておきましょう。
初回面接の料金目安は、多くの場合15,000円〜20,000円程度です。初回は心理検査や詳しい問診を行うことが多いため、継続セッションより高めに設定されていることが多くなっています。
ただし、初回割引を実施している機関もあるので、複数の選択肢を比較検討しましょう。
継続した場合の料金
継続セッション(約50分)の料金は、一般的に1回あたり5,000円〜10,000円程度ですが、都心部などの高級感のある施設では、1回20,000円以上かかることも。
一方、公的機関や非営利団体のカウンセリングでは、より安価で受けられる場合もあります。自分にあった料金設定のカウンセリングを探しましょう。
お金がなくてもカウンセリングを受ける5つの方法
お金がなくてもカウンセリングを受けられる方法は5つあります。
それぞれの特徴を理解し、状況にあったカウンセリング方法を選びましょう。
- 公的機関による無料・低額カウンセリングを受ける
- 大学などの教育機関付属の相談室を利用する
- オンラインカウンセリングの特典を活用する
- 医療機関で保険適用カウンセリングを受ける
- 自立支援医療制度を申請する
方法①:公的機関による無料・低額カウンセリングを受ける
公的機関による無料・低額カウンセリングは、お金がないときに最も利用しやすい選択肢です。公的機関でのカウンセリングには、次のような特徴があります。
- 地域の保健所や精神保健福祉センター、公立の小中学校などで提供されている
- 臨床心理士などの専門資格をもったカウンセラーが行う
- 無料または低額で済む
ただし、予約が必要だったり、利用回数に制限があったりする場合があるので、事前によく確認しておきましょう。
方法②:大学などの教育機関付属の相談室を利用する
大学などの教育機関に付属する相談室でも、低コストでカウンセリングを受けられます。大学付属の相談室のメリットは次の通りです。
- 心理学を学ぶ大学院生が教員の指導のもとでカウンセリングを行う
- 無料または安価で提供されている
- 最新の知識や技法を使ったカウンセリングが期待できる
経験の浅い学生が行うので不安かもしれませんが、新鮮なアプローチによるカウンセリングを受けられるメリットも。
ただし、医療機関からの紹介のみ受け入れている相談室もあるので、利用する前には確認が必要です。
方法③:オンラインカウンセリングの特典を活用する
近年、急速に普及しているオンラインカウンセリングも安く受けるための方法の一つです。
オンラインカウンセリングの特徴をご紹介します。
- 初回無料や割引・紹介キャンペーンなどの特典が充実している
- 交通費がかからない
- 自宅から好きな時間に受けられる
以上のようなメリットがある反面、対面カウンセリングと比べてコミュニケーションが取りづらいデメリットもあります。
自分にあっているかどうかは、お試しキャンペーンなどを利用して判断しましょう。
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方法④:医療機関で保険適用カウンセリングを受ける
精神科や心療内科などの医療機関では、保険適用のカウンセリングを受けられる場合があります。医療保険が適用されるため、通常の料金より自己負担額が抑えられるメリットも。
カウンセリングが保険適用されるためには、以下の5つの条件のうち、いずれかを満たす必要があります[1][2]。
- 医師や看護師による認知療法・認知行動療法
- 医師による精神疾患の通院・在宅精神療法
- 医師による標準型精神分析療法
- 心身医学療法
- 依存症集団療法
また、診断書が必要になったり、保険適用外の自由診療になったりする場合もあるので、事前に確認しておきましょう。
方法⑤:自立支援医療制度を申請する
自立支援医療制度は、心身の障害を除去・軽減するための医療において、医療費の自己負担額を軽減する制度です[3]。
自立支援医療制度を利用すると、自己負担が1割に減額されます。しかし、対象となる疾患が限られているので注意しましょう[4]。
- 統合失調症
- うつ病や躁うつ病などの気分障害
- 薬物などによる急性中毒または依存症
- ストレス関連障害や不安障害
- 知的障害や心理的発達の障害
- 認知症(アルツハイマー型、血管型)
- てんかん
自立支援医療制度を利用するには、医師の診断書と市区町村への申請が必要です。
また、利用できるのは「指定自立支援医療機関」に限られているので、医療機関や自治体のホームページで事前に確認してくださいね。
カウンセリングはお金の無駄?効果的な受け方のコツ5つ
カウンセリングはお金の無駄だと感じている方もいるかもしれません。しかし、効果的に受ければ十分に価値のある投資となります。
本章では、カウンセリングを効果的に受けるための5つのコツをご紹介します。
- 自分の悩み・問題を明確にする
- 相性の良いカウンセラーを選ぶ
- 率直な気持ちを伝える
- 目標設定と進捗確認をする
- カウンセリング後の体調不良や落ち込みに対処する
コツ①:自分の悩み・問題を明確にする
カウンセリングを効果的に受けるための第一歩は、自分の悩みや問題を明確にすることです。漠然とした不安や悩みがある場合、具体的に言語化することで、問題の本質が見えてきます。
たとえば「最近なんとなく調子が悪い」という悩みを、「仕事のストレスで不眠が続いている」と具体化すると、カウンセラーもより適切なアドバイスがしやすくなりますよ。
初回カウンセリングの前に、自分の悩みを箇条書きにして整理する方法もおすすめです。
コツ②:相性の良いカウンセラーを選ぶ
カウンセリングの効果を最大化するには、自分にあったカウンセラーを選びましょう。
具体的な方法をご紹介します。
- カウンセラーの専門分野、経験、アプローチ方法などを事前に確認する
- カウンセラーの年齢や性別も考慮する
- 初回無料相談やお試しセッションを活用する
もし、カウンセラーと相性があわないと感じたら、別のカウンセラーを探すことも検討してみてくださいね。
コツ③:率直な気持ちを伝える
カウンセリングで最も大切なのは、自分の気持ちを率直に伝えることです。恥ずかしさや罪悪感から本当の気持ちを隠してしまうと、問題の根本的な解決が難しくなります。
カウンセラーはこころの専門家であり、悩みを批判したり非難したりすることはありません。むしろ、相談者の気持ちを理解し、サポートすることが専門家の役割です。
「こんなことを言ったら変に思われるかも」と悩むかもしれませんが、思っていることを素直に話してみましょう。話すことが自己理解を深め、問題解決への近道となります。
コツ④:目標設定と進捗確認をする
カウンセリングを効果的に進めるには、具体的な目標を設定し、定期的に進捗を確認しましょう。
たとえば「人間関係を改善したい」という漠然とした目標ではなく、「職場で週に1回は同僚とランチに行く」といった具体的な行動目標をカウンセラーと立てることが重要です。
そして、目標に向けての進捗を確認し、必要に応じて目標を修正します。目標設定と進捗確認のプロセスを通じて自分の変化や成長を実感できるので、ぜひカウンセラーと一緒に取り組んでくださいね。
コツ⑤:カウンセリング後の体調不良や落ち込みに対処する
カウンセリングを受けた後は、一時的な体調不良や落ち込みを経験することがあります。決してめずらしいことではなく、むしろ変化や成長の過程で起こりうる自然な反応です。
カウンセリング後に気分が落ち込んだときは、セルフケアを心がけましょう。次のような方法が効果的です。
- 十分な休息を取る
- リラックスできる活動を行う
- 信頼できる人に話を聞いてもらう
また、次回のカウンセリングで体調不良について話すことも大切です。ささいな経験についてカウンセラーと話し合うことで、より深い自己理解につながりますよ。
お金がない時のカウンセリング代替手段3つ
お金がなくてカウンセリングを受けられない場合でも、こころの健康を維持する方法はあります。
カウンセリングの代替となる3つの手段をご紹介するので、参考にしてください。
- マインドフルネス瞑想を実践する
- ピアサポートグループに参加する
- セルフヘルプブックを活用する
代替手段①:マインドフルネス瞑想を実践する
うつ病の再発予防として開発されたマインドフルネス。「今、この瞬間において」注意を向けたときの気付きをあらわします。
マインドフルネスの考え方を実践する方法が、マインドフルネス瞑想です。うつ病だけでなく、不安やPTSDにも効果があるといわれています[5]。
具体的には、呼吸に集中したり体の感覚に注意を向けたりするのですが、初めての方には難しく感じるかもしれません。
近年では、スマートフォンアプリやインターネット上の動画などで、マインドフルネスの無料ガイドが数多く公開されています。
特別な道具は必要なく無料で始められるので、興味がある人はチェックしてみてくださいね。
代替手段②:ピアサポートグループに参加する
ピアサポートグループは、同じような悩みや経験を持つ人々が集まり、互いに支え合う場所です。多くの場合、参加費は無料か低額で、専門家のカウンセリングよりも気軽に参加できます。
たとえば、うつ病や不安障害の当事者会、依存症の自助グループなどが代表的です。
ピアサポートグループでは、自分の経験を共有したり、他の人の話を聞いたりすることで、孤独感の軽減や問題解決のヒントが得られます。
地域の保健所や精神保健福祉センター、NPO団体などで情報を探してみましょう。
代替手段③:セルフヘルプブックを活用する
セルフヘルプブックは、心理学や精神医学の専門家が執筆した書籍のことです。こころの問題に対する理解を深め、自己改善のための具体的なスキルを学べます。
近年、次のようなセルフヘルプブックがよく読まれています。
- 認知行動療法やマインドフルネスの考え方
- ストレスへの対処法
- 自己肯定感を高める方法
図書館を利用するのも良いですし、電子書籍なら比較的安価で購入できるので、ぜひ活用してみてください。
お金がない時も低コストでカウンセリングは受けられる
「お金がないからカウンセリングが受けられない」と悩む人は多いでしょう。しかし、お金がなくても低コストでカウンセリングを受ける方法や代替手段はたくさんあります。
お金がないときでもカウンセリングを利用できる方法を知って、経済的な理由でこころの健康を後回しにしないようにしましょう。
マインドバディが提供する認知行動療法プログラムでは、うつ病や不安障害に対する臨床心理士のカウンセリングをオンラインで受けられます。
より充実した人生を歩むためにも、マインドバディの認知行動療法をぜひ体験してみてください。
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<参考文献>
[1] PTSD等治療に関わる医療保険制度について|厚生労働省
[2] 厚生労働省の依存症対策において|厚生労働省
[3] 自立支援制度の概要|厚生労働省
[4] 自立支援医療(精神通院医療)について|厚生労働省