オンラインカウンセリングとは、インターネットなどを使ったカウンセリング方法の総称です。近くに相談機関がない、仕事のあとにカウンセリングを受けたいなど、あらゆるニーズに対応できることから、急速に広まってきました。
そこで今回は、オンラインカウンセリングとはどのような方法なのか、注意点や効果的に受ける方法を臨床心理士が解説します。
臨床心理士/公認心理師
いけや さき
心理職として精神科病院や心療内科クリニック、児童発達支援事業所での勤務を経て、現在はフリーのカウンセラー、児童精神科の心理士として活動中。またマインドバディ株式会社をはじめとする複数の会社とライター契約し、心理学やメンタルヘルス、ライフスタイルに関するライター活動も行っている。
オンラインカウンセリングの4つの種類
オンラインカウンセリングとは、いつでもどこでもカウンセリングが受けられる方法の総称です。
近年は次の4種類がオンラインカウンセリングサービスの代表となっています。
②電話カウンセリング
③チャット(SNS)カウンセリング
④メールカウンセリング
1つずつ解説しますので、自分に合う方法を探す際の参考にしてみてください。
種類①:ビデオ(Zoom)カウンセリング
インターネットに接続して、相手の顔が見える状態で行なわれることから、最も対面カウンセリングに近い方法といわれています。
ビデオカウンセリングは、主に以下のツールを用いて行われることが多いです。
・Skype
・GoogleMeet
そのほかにも、事業独自のツールなどを用いて行う場合があります。
種類②:電話カウンセリング
電話を使った音声のみのカウンセリングです。顔が見えないため、顔出しに抵抗のある人や匿名希望の人が利用しやすい方法となっています。
サービスによっては、電話ではなく、ZoomやSkypeの音声通話を活用しているところもあるようです。
種類③:チャット(SNS)カウンセリング
チャットカウンセリングは、文字のみで行なわれるリアルタイムの方法です。
近年はLINEで行えるところが増えており、電話が苦手な人や、家族などがいて電話ができない状況の人に人気の方法です。
種類④:メールカウンセリング
メールカウンセリングは、内容を考えるために、時間をかけられる方法です。
返信にタイムラグがあるため、早急に返事が欲しい人には向いていません。しかし、じっくり時間をかけて自分の言葉を書いたり、返信を考えたい人にはおすすめの方法です。
オンラインカウンセリングのメリット・デメリット
オンラインカウンセリングにはメリットもデメリットもあります。
まずメリットは次の4つが挙げられます。
・移動の必要がない
・費用が抑えられる
・海外在住でも日本語でサービスを受けられる
仕事を休んだり、場所を移動する必要がないのは大きなメリットでしょう。
次に、デメリットは以下の通りです。
・媒体の不具合が発生する可能性がある
・互いに情報量が少ない
デメリットは工夫できることばかりですが、症状によって病院の受診を勧める場合もあります。誰でも受けやすいですが、誰にでも効果的というわけではありません。
オンラインカウンセリングの注意点5選
オンラインカウンセリングを受けるための注意点を紹介します。
注意点は次の5つです。
②支払いやキャンセル方法を確認する
③国家資格を持つカウンセラーを選ぶ
④時間に遅れないよう注意
⑤気持ちや表情が伝わりづらいと認識しておく
1つずつ解説しますので、よく読んでからオンラインカウンセリングを受けましょう。
注意点①:ネット環境を整える
オンラインカウンセリングは、基本的にインターネット接続の出来る媒体がないと受けられません。
まずは、ネット接続できるスマートフォンやパソコンを用意しましょう。
また、オンラインカウンセリングを申し込んだ後もスムーズに接続できるか試すことをおすすめします。
特にビデオカウンセリングは、接続の不具合が起きるとカウンセリングが開始されません。事前に接続方法を確認するだけでなく、接続が切れた場合の連絡手段も調べておきましょう。
注意点②:支払いやキャンセル方法を確認する
オンラインカウンセリングは、事前に料金を支払うことが主流です。
支払い方法も、銀行振込のみの場合もあれば、クレジットカード決済のみのところもあります。事前に支払い方法や期限を確認しましょう。
また、キャンセル方法もサービスによって異なります。何日前からキャンセル料が発生するのか、キャンセル手続きはどこから行うかも先に確認しましょう。
注意点③:国家資格を持つカウンセラーを選ぶ
心理カウンセラーの選び方にも注意点があります。
「心理カウンセラー」という職業名自体は、誰でも名乗ることが可能です。なかにはきちんとトレーニングを受けたカウンセラーもいますが、自称カウンセラーも紛れているので要注意。
国家資格である公認心理師や、国に認められた民間資格である臨床心理士を有する心理カウンセラーを選べば、高度な専門性や豊富な経験で対応してくれます。
また、個人情報や守秘義務に関しても公認心理師や臨床心理士は精通しているので安心です。
あらゆる点から、カウンセラー選びは公認心理師や臨床心理士のなかで、自分と合う人や話しやすい人を選ぶことをおすすめします。
注意点④:時間に遅れないよう注意
ビデオカウンセリングや電話カウンセリングの場合、なかには予約時間を忘れてしまう人がいます。
家で別のことをしていたり、ゆっくり過ごしていたり、仕事が押してしまっていたりすると時間をすっかり忘れてしまうこともあるようです。
時間に遅れてしまうと、サービスによっては当日のカウンセリングが受けられなくなります。時間を忘れないように、アラームやリマインダー機能を活用しましょう。
注意点⑤:気持ちや表情が伝わりづらい と認識しておく
オンラインカウンセリングは、対面と比較すると気持ちや表情のニュアンスが伝わりにくいです。
相談者側にとって、オンラインカウンセリングは受けやすい一方で、カウンセラーに伝わりにくいこともあると認識しておきましょう。
また、反対にカウンセラーの表情やニュアンスが読み取れずに不安を感じる人もいます。
カウンセラー側は細心の注意を払ってセッションを実施していますが、人と人ですのですれ違いが起こることもあるかもしれません。
不安に感じた時は、正直な気持ちを伝えて、セッションで話し合うことをおすすめします。
対面とオンラインカウンセリングの違いと注意点3選
次に対面とオンラインカウンセリングの違いと注意点について、以下の3つを紹介します。
②費用相場
③時間
対面とオンラインカウンセリングのどちらにするか考えるための、参考にしてみてください。
違いと注意点①:場所
場所は対面とオンラインで大きく異なります。対面カウンセリングは、病院やクリニック、国や地方自治体の相談機関などに出向かなければ受けられません。
一方、オンラインカウンセリングの場所は次の通りです。
・自宅
・車内
・テレワークスペース
車内でカウンセリングを受ける場合は、インターネット接続環境が乱れやすいことや外の音が入りやすいため、注意が必要です。また、テレワークスペースも利用時間やネット接続はあらかじめ確認しておきましょう。
違いと注意点②:料金相場
料金相場は以下の通りです。
5,000円〜15,000円
※病院の自費診療は8,000円以上が相場・オンラインカウンセリング(ビデオ・電話)
3,000円〜12,000円
・メール/snsカウンセリング(月額などチケット制)
5,000~12,000円
オンラインカウンセリングは、手段や事業ごとで料金が異なるところは注意点の1つですが、対面よりも費用を抑えることが可能です。
当社マインドバディ株式会社が提供するオンラインカウンセリングは、国家資格を持つカウンセラーが月額12,980円で提供しています。
違いと注意点③:時間
時間はカウンセリングを受ける機関によってさまざまですが、平均としては次の通りです。
・オンラインカウンセリング(Zoom):30~60分
オンラインは早朝や深夜も受け付けているので、平日夜や土日など、一般的な対面サービスが空いていない日でも受けられるところがメリットです。
ただし、深夜料金がかかる場合やカウンセラーの選択肢が狭まることもあるのは、注意点の1つでしょう。
効果的にオンラインカウンセリングを受ける4つの注意点
最後にオンラインカウンセリングを効果的に受けるための注意点を4つ紹介します。
②カウンセリングの目的を明確化する
③自分を客観的に観察する
④うまく話そうとせず自然体で
参考にして、よりよいカウンセリングの時間をお過ごしください。
効果的に受ける注意点①:継続できる価格帯を考える
カウンセリングは1回受ければ効果があるわけではありません。
数回受ける必要がほとんどのため、継続できる価格帯を考え、あらかじめ自分の中で予算を決めておくといいでしょう。
カウンセリングは何回くらい受けると効果的か
認知行動療法を受ける場合は、12〜16回が目安です。ただし、ご希望や状態に応じて回数の調整は可能となっています。
また、悩んできた期間が長い人や悩みの数が多い人は、もう少し時間がかかることもあるでしょう。
医療機関では保険適用にならず、自費の場合が多いです。自費診療の場合は、1回あたり8,000〜10,000円が料金相場となります。
効果的に受ける注意点②:カウンセリングの目的を明確化する
カウンセリングは、ただ受けているだけでは効果を得られません。
なぜカウンセリングを受けたいのか、どのようになりたいのか、目的を明確化することで効果が得られやすくなります。
また、カウンセリングを受けるべきか迷った際は、次に紹介する「受けた方がいい人」の特徴を参考にしてください。
カウンセリングを受けた方がいい人とは
カウンセリングを受けた方がいい人には、次のような特徴があります。
・ネガティブ思考な人
・自分に厳しく接してしまう人
・薬物療法などで改善できていない人
特に最後の特徴に当てはまる人は、薬物治療との併用がおすすめです。
効果的に受ける注意点③:自分を客観的に観察する
不安や心配などが増幅していると、なかなか自分を客観視できにくいですよね。
客観的に観察するには練習が必要です。カウンセラーに相談しながら、「なぜ自分はそう思うのか」「どうして辛いと感じるのか」など、落ち着いて考えてみましょう。
効果的に受ける注意点④:うまく話そうとせず自然体で
カウンセリングはうまく話す必要はありません。
自分が感じていること、悩んでいること、吐き出したいことをとにかく伝えてみましょう。きっとカウンセラーが質問しながら整理してくれます。
ただし、なかにはカウンセリングが嫌だと感じる人もいるので、嫌と感じる理由と対処法を解説します。
カウンセリングが嫌いな理由と対処法
カウンセリングが嫌いと感じやすいのは、次のような理由が考えられます。
・自分の本音を話す心の準備ができていない
・カウンセラーとの相性が悪い
・カウンセラー側に問題点がある
いずれにしても、まずは一度担当カウンセラーに正直な気持ちを伝えましょう。そのうえで今後の受け方を話し合い、継続して受けられる環境を整えていきます。
注意点に気をつけてオンラインカウンセリングで相談してみよう
オンラインカウンセリングは、慣れない人からすると戸惑うこともありますよね。
今回紹介した、カウンセラーの選び方や料金に関する注意点に気をつけて、効果的なカウンセリングを受けていきましょう。
某オンラインカウンセリングプラットフォームの利用率調査によれば、34.8%の人がオンラインカウンセリングを経験したことがあるそうです。
これからさらに注目されると考えられますので、今の悩みや状況が悪化する前に、一度勇気をもってカウンセリングを受けてみましょう。
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