カウンセリングを受けようと思ったけれど、値段を見て諦めた方もいると思います。
今回の記事では、カウンセリング料金の相場や料金が料金が高い理由、そしてお金がなくても安くカウンセリングを受けるための工夫について詳しく解説します。
高くても効果的なカウンセリングを受けるためのポイントも併せて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
臨床心理士/公認心理師
甘中亜耶
京都文教大学大学院 臨床心理学研究科修了。大学院修了後、発達相談を経験した後、2022年から児童精神科クリニックと保健所に勤務。精神疾患やメンタルヘルスに関して「正しい情報を分かりやすく伝える」をモットーにフリーランスのライターとしても活動している。
カウンセリング料金の相場
カウンセリングを受ける際、気になるのは料金です。
まずはカウンセリングにかかる費用の相場について知りましょう。
1回あたりのカウンセリング料金の相場
カウンセリングの料金は一般的に1回のセッションあたり5,000~15,000円程度です。特に、都市部では料金が高くなる傾向があります。
カウンセラーや技法による料金の違い
カウンセリング料金は、カウンセラーの専門性によっても異なります。
ベテランのカウンセラーになれば、料金は高くなる傾向があります。
また、カウンセリングの中でも特に専門性が必要な技法(EMDR、教育分析など)では料金が高く設定されることが一般的です。
料金が高い場合の相場は1回15,000円ほどです。
継続したときの費用の見積もり
カウンセリングは1回で終わるものではなく、継続することで効果を実感します。仮に、1回5,000円のカウンセリングを継続したときの料金について概算してみましょう。
1ヶ月 | 6ヶ月 | 12ヶ月 | |
週1ペース | 20,000 | 120,000 | 240,000 |
週2ペース | 40,000 | 240,000 | 480,000 |
月1ペース | 5,000 | 30,000 | 60,000 |
実際には、他にも交通費がかかったり、思ったよりもカウンセリング期間が長引いたりすることがあります。
カウンセリングを受ける際には、長期的な費用計画を立てることが重要です。
なぜカウンセリングの料金は高い?理由5選
カウンセリングに高い理由には以下のような5つの理由が挙げられます。
②保健適応されないことが多いため
③場所代や人件費がかかるため
④1日に対応できる件数が限られているため
⑤市場が小さいため
理由①:専門家が対応するため
カウンセリングは、臨床心理学などの知識を持ち、専門的な訓練を受けたプロフェッショナルが実施します。
特に臨床心理士や公認心理師などの資格をもつカウンセラーは、長期間の教育と実習を経て知識や技術を学んできました。
高度なスキルを持つカウンセラーが個別に対応するため、提供されるサービスに見合った費用が設定されています。
理由②:保険適応されないことが多いため
精神科など医療機関で行われるほとんどの治療では、医療保険の適用を受けられます。一方、カウンセリングは保険適応として認められないことが多く、費用が全て自己負担となります。
その結果、他の医療サービスと比べて高く感じやすいでしょう。
理由③:場所代や人件費がかかるため
カウンセリングは、 静かでプライバシーが守られた環境で行われることが求められます。
したがって、場所代や適切に運営するために必要な人件費も料金に反映されます。
理由④:1日に対応できる件数が限られているため
カウンセリングでは、1回につき1時間程度を要するため、カウンセラーが1日に対応できる件数には限界があります。
また、基本的に1対1のサービスのため、多人数を相手にできるサービスに比べると料金が高くなります。
理由⑤:市場が小さいため
カウンセリングは、日本においてまだ大きな市場とは言えません。 活動できるカウンセラーの人数も限られており、需要が供給を上回っていることも料金が高い理由の一つでしょう。
お金がない中でもカウンセリングを受けるための工夫5選
お金がなくてもカウンセリングを受けたい時には以下のような5つの工夫があります。
②無料または低価格のカウンセリング機関を利用する
③電話・オンラインカウンセリングを活用する
④比較的短期間で効果を実感できるカウンセリングを受ける
⑤研修生によるカウンセリングを利用する
工夫①:保険適応のカウンセリングを受ける
カウンセリング自体は保険適用外であることが多いですが、精神科や心療内科での治療を併用することで、医療保険が適用されるケースもあります。
まずは保険が適用される可能性がある医療機関を受診してみるというのが一つの方法です。
工夫②:無料または低価格のカウンセリング機関を利用する
一部の自治体や団体では、無料または低価格でカウンセリングを提供している可能性があります。
例えば、学生や保護者ならスクールカウンセリング、大学生なら学生相談室。社会人なら産業カウンセラーなどを利用すると低価格でカウンセリングを受けられるかもしれません。
工夫③:電話・オンラインカウンセリングを活用する
カウンセリングは、対面に限らず、電話やオンラインで受けられます。
オフィスを利用する必要がないため対面よりも費用が抑えられることが多いです。
また、自宅からカウンセリングを受けられるため交通費が抑えられるでしょう。
工夫④:比較的短期間で効果を実感できるカウンセリングを受ける
費用を抑える方法として、短期間で効果を実感しやすい技法を選ぶという手があります。
比較的初期で効果が期待できるカウンセリングの代表的なものとして「認知行動療法(CBT)」が挙げられるでしょう。
通常、数か月から半年程度の期間で効果を実感できることが多く、短期集中型のセッションも多いため、費用を抑えつつ効果が得やすいのが特徴です。
工夫⑤:研修生によるカウンセリングを利用する
多くの心理系大学院では、大学附属施設で研修生によるカウンセリングを行なっています。研修機能を兼ねているため比較的安価に設定されてきました。
カウンセラーが研修生で不安に思われるかもしれませんが、研修生1人1人には指導教官がついているため一定の質は保たれています。
「大学名+相談室」や「大学名+カウンセリング」で検索すると見つけられますよ。
・東京大学 心理教育相談室
https://www.p.u-tokyo.ac.jp/soudan/index.html
・京都大学 心理教育相談室
https://www.educ.kyoto-u.ac.jp/overview/facility/counseling_room/
注意点としては、全ての大学にあるわけではないという点です。また、「学生相談室」「学生相談センター」などの施設は、在籍する学生のための相談施設となるので一般の方の利用はできません。
高くても効果的なカウンセリングを受けるための注意点5つ
せっかくカウンセリングを受けるのであればしっかりと効果を感じるカウンセリングが受けたいものです。
いくつかのポイントに注意することで、より信頼性が高いカウンセリングを受けられますよ。
注意点①:公認心理師か臨床心理士資格者のカウンセリングを受ける
カウンセリングを受ける際は、公認心理師や臨床心理士など、国家資格や専門資格をもつカウンセラーを選ぶことが重要です。
上記の資格保持者は、大学院で心理学やカウンセリングの専門的な教育を受けており、さまざまな心理的な問題に対応できる能力を身につけてきました。
「マインドバディ」では、経験豊富な公認心理師から、オンラインで認知行動療法を受けられます。
参考:マインドバディ
注意点②:初回トライアルを活用して安心できる担当者を見つける
カウンセラーや相談施設によっては、初回トライアルやお試しセッションを提供しています。
まずはトライアルを活用して、安心感を得られるカウンセラーを選ぶことで、後のカウンセリングで信頼関係が築きやすくなります。
注意点③:精神科・心療内科を受診する
精神的な問題や症状が強く出ている場合は、精神科や心療内科での診療を受けることも一つの手段です。
薬物療法などの医療的なアプローチで山場を乗り越えてからカウンセリングを受けることも視野に入れてみましょう。
保険適用される場合が多いため、経済負担が少ないこともポイントです。
注意点④:相談したい内容を明確にしておく
カウンセリングを効果的に進めるためには、自分が何を相談したいのかを明確にしておくことが大切です。カウンセリングの方向も一定となり、無駄なくセッションを進めていけます。
注意点⑤:悪徳カウンセラーに注意する
最後に、カウンセリングを受ける際には、悪徳カウンセラーに注意することも重要です。
中には、必要以上にセッションを長引かせたり、高額な料金を要求するケースも存在します。事前にしっかり確認し、安心して利用できるサービスを選びましょう。
カウンセリング料金が高くて行けない…でも工夫次第で安価に!
カウンセリングは心の健康を支えるために非常に有効ですが、料金の高さがネックになることもあります。
費用を抑えるために、短期間で成果を出しやすい認知行動療法や、低価格のカウンセリングを利用するなどの工夫ができます。
さまざまな選択肢を検討して、経済的な負担を軽減しながら心のケアを進めていきましょう。
「マインドバディ」では、経験豊富な公認心理師から、オンラインで認知行動療法を受けられます。カウンセリング費用の高さに悩んでいる人は、検討してみてはいかがでしょうか。
参考:マインドバディ