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うつ病カウンセリングの方法3選【効果や費用、保険適用の有無も紹介】

うつ病 カウンセリング
更新日:2024/10/03

うつ病カウンセリングの方法3選【効果や費用、保険適用の有無も紹介】

うつ病は、一生のうち15人に1人がかかると言われているポピュラーな病気です。しかし、うつ病のカウンセリング方法や費用等についてはあまり知られていません。

今回は、誰にでも起こりうる病気である、うつ病のカウンセリングについてご紹介します。

うつ病とは

うつ病は「心の風邪」とも呼ばれる気分の落ち込みが長く続く病気です。脳内の神経伝達物質である「セロトニン」や「ノルアドレナリン」が減ってしまうためだと考えられています[1]。

厚生労働省の患者調査では、うつ病を含む気分障害での推計患者数は2020年に172万人を超えました[2]。3年前に比べて40万人以上も増えています。

ただし、本調査は受診した人数であり、実際にはさらに多くの人がうつ病に苦しんでいると言えるでしょう。

うつ病の症状

うつ病では、気分の落ち込み・やる気が出ないといった、普段起こりうる症状があらわれます。

こういった症状は誰もが経験することですが、日常的な気分の落ち込みとうつ病は同じものではありません。

気分と病気を判断するためのポイントの一つが「日常生活に支障があるか」という点です。

次のような症状のうち、5つ以上が2週間以上続き日常生活に影響を与えている場合は、専門家に相談することをおすすめします[1]。

  • ひどく憂うつな気分が一日中続く
  • 何をしても楽しくない
  • 食欲が減ったり増えたりする
  • 夜に眠れない、または寝過ぎてしまう
  • イライラが強い
  • 何もやる気になれない
  • 自分には価値がないと思う
  • 集中力が低下する
  • 死にたい、消えてしまいたいと思う

うつ病の原因

うつ病の原因は一つとは限りません。遺伝的な傾向や今までの経験など、複数の要因が絡み合って発症すると考えられています[3]。

主な原因として以下があげられます。

  • ストレスとなる出来事:人間関係や慢性的な疲労、親しい人の死や経済的不安など
  • 環境の変化:就職や結婚、異動や転居など
  • 性格:物事の考え方やとらえ方
  • 遺伝的な要因:脳機能の発達や心のあり方を決める部分
  • 幼少時の環境:育った家庭環境や学校、地域社会からの影響

うつ病のカウンセリングとは

カウンセリングは、専門家との対話を通じて心の健康を回復させる治療法です。この章では、うつ病カウンセリングの特徴についてご紹介します。

うつ病におけるカウンセリングの役割

心理的サポートに大きな役割を果たしているうつ病カウンセリング。具体的には次のような役割があげられます。

  • 安全な環境で感情を表現できる場を提供すること
  • うつ病に対する具体的な対処法を紹介すること
  • うつ病の再発防止に役立つこと

うつ病カウンセリングでは、精神科医や心理士との対話を通じて、自分の気持ちを整理し自己理解を深めていきます。さまざまな対処スキルを学び、問題を解決する力が自然と身につきますよ。

薬物療法との併用が一般的

うつ病の治療では、薬物療法とカウンセリングを組み合わせた治療が一般的です。

薬物療法では、憂うつな気分をやわらげ、睡眠リズムの改善にも効果的な「抗うつ剤」を中心に処方されます。

他にも、不安や緊張をやわらげる「抗不安薬」や、うつの波をなくす「気分安定薬」などが併用されることも。

薬物療法でつらい症状がやわらいだところに、心理面にも働きかけるのがカウンセリングです。認知療法などの心理療法は、薬と同等以上の効果が期待できると言われています[3]。

カウンセリングの具体的な進め方

うつ病のカウンセリングは、以下のような流れで進められます。

  • 初回面接
  • 定期的なセッション
  • 終結

①初回面接

精神科医や心理士と初めて出会う場です。自分の症状について話す中で、「この先生になら相談できる」という信頼関係が作られます。

②定期的なセッション

まずは、うつ病の治療に向けて具体的な目標を決めていきます。認知行動療法などのセッションでは、うつ病の原因となる出来事をもとに対処法を学ぶことも。

日常生活でも実践できるようにホームワークに取り組んだり、結果を振り返ったりしながら、問題を解決するスキルを身につけていきます。

③終結

うつ病からの回復がみられたら、フォローアップセッションでサポートを受けながら終結に向かいます。

効果期待!うつ病カウンセリングの方法3選

うつ病のカウンセリングには、効果が期待できる方法がいくつかあります。なかでも、とくに注目される以下の3つの方法をご紹介します。

  • 認知療法
  • 行動療法
  • アクセプタンス・コミットメント・セラピー(ACT)

方法①:認知療法

認知療法は、うつ病になりやすい思考パターンを変えていこうとする心理療法です[3]。多くの場合、次項で説明する行動療法とあわせて「認知行動療法」として実践されています[4]。

たとえば、「何をしてもうまくいかない」と考えてしまう人がいるとしましょう。

この場合、出来事によって悲観的な考えが引き起こされているのではなく、出来事に対する考え方や行動によって感じ方が変わってくるのです。

認知療法では、悲観的で消極的な考えを、別の合理的で客観的な思考に置き換える練習をします。

方法②:行動療法

行動療法とは、問題となる行動パターンを変えることで症状の改善を図る心理療法です[3]。行動療法の考え方の特徴は、「こころの状態は行動することで変わっていく」という点。

たとえば、「憂うつだから外に出たくない」といった気持ちがあるとしましょう。

外に出ないという行動を「試しに窓を開けて空気を吸ってみる」という行動に変えてみるのです。その結果、「少し気分が晴れた」と思えるかもしれません。

行動を変えることで得られる成功体験を積み重ねると、「自分ならできる」という自己効力感につながり、うつ病の改善が期待できます。

方法③:アクセプタンス・コミットメント・セラピー(ACT)

ACTは、マインドフルネスの要素を取り入れた比較的新しい心理療法です。ポイントは以下の3つです。

  • 否定的な感情や思考をそのまま受け入れる(アクセプタンス)
  • 自分の強い意思で取り組む(コミットメント)
  • 目の前で起きていることに目を向けること(マインドフルネス)

たとえば、会いたくない人に会う場合、「不安」「恐怖」などの感情を逃げずにそのまま受け入れます。会ってみると、意外にも楽しく過ごせる経験ができるかもしれません。

このように、ネガティブな感情を避ける以外の行動ができるようになると、自分の意思で行動できるようになり、うつ病の改善に役立つといわれています。

うつ病カウンセリングの受け方3つ

では、うつ病のカウンセリングはどのように受ければよいのでしょうか。ここでは、以下の3つの受け方についてご紹介します。

  • 医療機関を受診する
  • カウンセリングルームを予約する
  • オンラインカウンセリングを利用する

受け方①:医療機関を受診する

うつ病のカウンセリングが受けられる最もポピュラーな方法は医療機関の受診です。

まずは、自宅の近くで精神科や心療内科がある病院を探してみましょう。最近では、うつ病を専門に治療するクリニックも増えています。

医療機関を選ぶメリットは次の通りです。

  • 専門医によるカウンセリングが受けられる
  • 薬物療法を併用しやすい
  • 健康保険が適用される

近年のうつ病患者数の増加にともない、医療機関を受診する人が増えています。そのため、予約が取りづらかったり待ち時間が長かったりする点がデメリットといえるでしょう。

受け方②:カウンセリングルームを予約する

近くに医療機関が見つからない場合は、民間のカウンセリングルームでもうつ病カウンセリングを受けられます。

カウンセリングルームを予約する場合は、カウンセラーが臨床心理士や公認心理師などの資格を持っているか確認しておきましょう。

資格を持っていないと、認知行動療法などに対応できない場合があります。

カウンセリングルームのメリットとして、次のような点があります。

  • 落ち着いた環境でゆっくりと相談できる
  • 予約が取りやすく時間設定も柔軟である

ただ、健康保険がきかない場合が多いので、費用がかさむ点がデメリットでしょう。

受け方③:オンラインカウンセリングを利用する

近年注目されている方法が、オンラインでのうつ病カウンセリングです。

精神科医、臨床心理士や公認心理師などの専門家による、ビデオ通話やチャットを使ったカウンセリングが増えているので調べてみましょう。

オンラインカウンセリングのメリットは、次のような点が考えられます。

  • 場所を問わずに利用できる
  • 通院の負担がなく、プライバシーも守られる
  • 自分にあったカウンセラーを選べる

ただし、対面ほどの細やかな対応がしにくいので、症状が重い人には不向きかもしれません。

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うつ病のカウンセリングにかかる費用について

うつ病のカウンセリングを受ける際は、費用について十分に考慮しておきましょう。

この章では、費用の目安や保険適用の条件などについてご紹介します。

費用の目安

うつ病カウンセリングの費用は、受ける場所や保険適用の有無によって大きく変わります。以下のような3つの場合に分けて説明します。

  • 医療機関で健康保険を使ったケース
  • 民間のカウンセリングルームで保険適用されないケース
  • オンラインカウンセリングで保険適用されないケース

①医療機関で健康保険を使ったケース

医療機関では健康保険が適用されるため、69歳までの人の自己負担額は3割です。

目安として、保険適用された場合の初診料は2,500円〜5,000円程度、再診料は1回1,500円〜2,500円程度とされています。

薬の処方代は内容によって変わりますが、健康保険を使うと2週間分で1,000円〜2,000円程度がだいたいの目安です。

②民間のカウンセリングルームで保険適用されないケース

民間のカウンセリングルームの費用の目安は、1回(50分)のセッションで5,000円〜15,000円程度といわれています。

初回カウンセリングでは詳しい問診や心理検査のため、15,000円〜20,000円以上かかるのが一般的です。

③オンラインカウンセリングで保険適用されないケース

オンラインカウンセリングの一般的な料金相場は、30分で3,000円〜5,000円とされています。

60分コースだと少し料金が上がり、6,000円〜10,000円程度が多いですが、サービスの種類によって料金はさまざまです。

保険適用の有無と条件

医療機関で医師の診断を受け、うつ病と診断された場合は健康保険が適用されます。診察やカウンセリングの費用の7割が保険でカバーされる仕組みです。

一方、民間のカウンセリングルームやオンラインカウンセリングは、原則として保険適用外。

保険適用の有無はカウンセリング費用に大きく影響するため、事前にしっかりと料金の目安を確認しておきましょう。

無料・低額カウンセリングの探し方

経済的な理由でカウンセリングが受けられないと悩む人もいるでしょう。無料や低額でカウンセリングを利用できる方法をご紹介します。

まず、自治体の保健所や精神保健福祉センターでは、無料の心の健康相談を実施しています。専門家による相談が受けられるため、ぜひ利用してみてください。

次に、一部の大学附属の心理相談室では、研修中の大学院生が低額でカウンセリングを提供していることも。

また、NPOや社会福祉法人が運営する相談窓口も、無料や低額で利用しやすいですよ。地域の広報やインターネットで情報を集めてみてください。

うつ病のカウンセリングで焦らずゆっくり回復しよう

今や、15人に1人が一生のうちにかかると言われているうつ病。うつ病から回復するためには、専門家によるカウンセリングや薬物療法などの治療が欠かせません。

マインドバディが提供する認知行動療法プログラムでは、うつ病や不安障害に対する臨床心理士のカウンセリングをオンラインで受けられます。

より充実した人生を歩むためにも、マインドバディの認知行動療法をぜひ体験してみてください。

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<参考文献>
[1] こころもメンテしよう うつ病|厚生労働省
[2] 令和2年 患者調査 傷病分類編(傷病別年次推移表)|厚生労働省
[3] 野村総一郎(2018)新版入門うつ病のことがよくわかる本|講談社
[4] e-ヘルスネット 認知療法|厚生労働省

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