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【臨床心理士が解説】認知行動療法を受けたいなら、まず受けられる場所を知ろう 【よくある質問5選も紹介】

更新日:2024/06/06

【臨床心理士が解説】認知行動療法を受けたいなら、まず受けられる場所を知ろう 【よくある質問5選も紹介】

認知行動療法を受けたいけれど、何から始めたらいいか分からない方がおられると思います。

そんな方に向けて、今回は認知行動療法を受けられる場所や、よくある質問について解説していきます。

臨床心理士/公認心理師の甘中亜耶

臨床心理士/公認心理師

甘中亜耶

京都文教大学大学院 臨床心理学研究科修了。大学院修了後、発達相談を経験した後、2022年から児童精神科クリニックと保健所に勤務。精神疾患やメンタルヘルスに関して「正しい情報を分かりやすく伝える」をモットーにフリーランスのライターとしても活動している。

認知行動療法とは

「認知行動療法」とは、日常生活で起こる困りごとを整理し、認知や行動に働きかけることで気持ちを楽にする心理療法です。

人にはそれぞれ考え方の癖があり、必要以上にネガティブや偏った考え方をしているとストレスがかかりやすくなります。認知行動療法では、考え方の癖を変えることで困りごとを解消していきます。

つらい気持ちやストレスの軽減に効果があり、うつ病をはじめとした心の病気に効果があることが明らかになっています。

英語ではCognitive Behavior Therapyと言い、省略してCBTと呼ばれることもあります。

認知行動療法を受けられる場所

認知行動療法を受けるにはどこに行けば良いのでしょうか?相談する場所としては、以下が挙げられます。

・主治医
・病院
・施設相談所
・オンラインカウンセリング

上記の中から、自身の状況に応じて適切な場所を選択しましょう。

受けられる場所①:主治医

もし精神科や心療内科にかかっている人は、必ず主治医に相談しましょう。

その後、別の病院や私設相談所で認知行動療法を受けたい場合でも相談が必要です。

「どうしてわざわざ?」と思われるかもしれませんが、あなたの心と身体を守るために必要なことだからです。

例えば、主治医が「今は安静にしている方がいい」と判断したとしましょう。もし、認知行動療法で「積極的に問題解決に取り組みましょう」と方向付けられると、治療方針がバラバラで双方の効果が十分に得られません。

現在の治療と認知行動療法の方針が合致し、効果が十分に発揮できるよう主治医への相談ははじめに必ず行いましょう。

受けられる場所②:病院

実際に認知行動療法を受けられる場として病院が挙げられます。

主に精神科や心療内科で実施されていますが、全ての病院で対応しているわけではありません。厚労省が発表している認知療法・認知行動療法の届出医療機関一覧(令和4年3月時点)を参考xにしましょう。

北海道地方
東北地方
関東・信越地方
東海・北陸地方
近畿地方
中国・四国地方
九州・沖縄地方

記載されている病院でも予約枠がいっぱいの可能性があるため、電話やHPで一度問い合わせましょう。

ちなみに、病院で行っていても保険が適応されることはほとんどありません。事前に料金も確認をしておくと安心です。

受けられる場所③:私設相談所

次に、私設の相談所が挙げられます。「~カウンセリングルーム」や「~相談所」など施設の名称はバラバラですが、カウンセラーが運営している相談施設のことです。

私設の相談所も必ず認知行動療法を行っている訳ではありませんので、事前の確認が必要です。

また、各カウンセラーに専門分野があることも少なくありません。HPなどを確認して、自分の悩みに合った相談所を選びましょう。

相談所は、一般社団法人日本臨床心理士会HPから調べることをお勧めします。

参考:一般社団法人日本臨床心理士会「臨床心理士に出会うには」

他にも、ネット検索、病院や自治体から紹介してもらうという方法が挙げられます。

受けられる場所④:オンラインカウンセリング

認知行動療法は、オンラインカウンセリングでも受けられます。

インターネットが繋がれば、自宅から受けられるため、比較的時間に融通がききやすい点が特徴です。一方、電波状況によってはタイムラグが生まれたり、やり取りできる情報量が限られたりする点には注意が必要です。

オンラインカウンセリングは中でも主に4種類に分類されています。

・ビデオカウンセリング
・電話カウンセリング
・メールカウンセリング
・チャットカウンセリング

認知行動療法では、ビデオカウンセリングを採用されている会社が多いようです。

オンラインサービスの「マインドバディ」であれば、国家資格である公認心理師を持った経験豊富なカウンセラーから認知行動療法を受けることができます。

安心できるカウンセラーを見つけために大切なこと

認知行動療法の効果をしっかりと得るためには、安心できるカウンセラーと出会うことが大切になってきます。

筆者は、公認心理師もしくは臨床心理士資格を持つカウンセラーをお勧めしています。

公認心理師と臨床心理士の資格取得のためには、指定大学院の卒業など、特定の条件をクリアする必要があります。資格がある=良いカウンセラーという訳ではありませんが、知識や能力を証明するための判断材料として有効です。

認知行動療法で実際におこなうこと

認知行動療法では、まずどんなことで困っているかをハッキリとさせます。続いて、困りごとが起きた時の状況、とっさに思い浮かぶ考え、気持ち、身体の感覚を整理します。そして、自分の考え方や行動の癖を見つけ、より良い反応に変化させていきます。

考え方や行動を変化させるための技法は、認知行動療法の中でもいくつかの種類に分けられます。代表的なものとして、認知再構成法(コラム法)、リラクゼーション法、暴露療法などが挙げられます。

カウンセリングで考え方や行動を変化させる方法を学んだら、その方法を日常生活で実際に行ってみます。そして、次のカウンセリングでは、実践をした結果を振り返りながら新たな方法を身につけていきます。

認知行動療法に関するよくある質問5選

認知行動療法を受けるにあたって、基本的な効果や費用などを確認しておきましょう。

質問①:どんな問題に効果がある?

認知行動療法は、認知行動に働きかけることで気持ちを楽にする心理療法です。

つらい気持ちやストレスの軽減に効果があり、さまざまな心の病気にも効果があることが明らかになってきました。

効果が期待される精神疾患
・うつ病
・不安障害
・強迫性障害
・発達障害 など

他にも、病気とまではいかないけれど、ストレスを抱えてしんどい人にも効果が見込めます。

効果が期待される悩み
・些細なことで人から嫌われていると考えてしまう
・何事も完璧にこなさないと気が済まず疲れてしまう
・カッとなって怒りやすい など

質問②:申し込み方法は?

病院の場合、まずは医師の診察を受けて申し込むことが一般的です。

私設相談所やオンラインカウンセリングは、電話やHPからの予約で申し込むことが多いです。

質問③:費用はどれくらい?保険は適応されるの?

費用は1回につき5,000〜15,000円が相場です。

病院でのうつ病などに対する認知行動療法は、制度上は保険適応の対象となっています。しかし、保険適応で取り扱っている医療機関は少なく、自費診療が多いというのが実状です。

質問④:どれくらいの期間がかかる?

1回あたり30~60分、頻度は1~2週間が多いです。

総回数は5~20回以内に設定されていることが多いですが、相談内容や状態、通える頻度によって変わってきます。

質問⑤:生活への影響はある?

認知行動療法を受けることで、生活に以下のような影響が出ることがあります。

・ホームワークなど家庭での時間も必要

認知行動療法では、ホームワークが出たり、実生活の中で実践したりすることがあります。そのため、私生活の時間を使わなければいけない場合があります。

・一時的に気持ちが不安定になることがある

認知行動療法の中では、自分のコンプレックスに向き合わなければいけません。そこで、一時的に気持ちが落ち込んだり、イライラしやすくなる人もおられます。

ただ、一見悪くなっているように見える状態でも、認知行動療法の過程で必要な道のりであることも少なくありません。分からないことや不安な点は、担当カウンセラーに確認しましょう。

認知行動療法を受けるまでにしておくと良いこと

認知行動療法を受けるまでの間に特別な準備は必要ありません。

強いて言えば、自分が今何に悩んでいるのかを整理しておくとカウンセリングの中でスムーズに話しやすくなります。特にまとめておくと良い点は以下の3点です。

①自分がどんなことで問題で困っているのか
②何を変えたら困らなくなりそうか
③問題を解決してどうなりたいのか

考えたことはメモしておくと、伝え忘れを防げます。

安心できるカウンセラーを見つけて効果的な認知行動療法を受けよう

認知行動療法は、病院や私設相談所、オンラインカウンセリングで受けられます。

全ての機関で認知行動療法を行っている訳ではないため、事前にHPや電話などで確認をしてから申し込みましょう。

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