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【徹底解説】認知行動療法のデメリット5選!メリットや受けられる場所も紹介

認知行動療法
更新日:2024/07/12

【徹底解説】認知行動療法のデメリット5選!メリットや受けられる場所も紹介

ある出来事が起きたとき、ネガティブに考える人とあまり気にしない人がいます。

ネガティブに捉えやすい人は、悪い出来事が起きたときに限らず、過去の経験から「きっと○○だろう」と思ってしまう人もいるでしょう。

認知行動療法は、人の考え方や捉え方をバランスのよいものへ修正し、生きやすくなるお手伝いをする方法。

メリットが大きく、実証的根拠(エビデンス)もある認知行動療法ですが、実はデメリットも存在します。

今回は、認知行動療法の5つのデメリットを具体的に解説します。

臨床心理士/公認心理師の甘中亜耶

臨床心理士/公認心理師

いけや さき

心理職として精神科病院や心療内科クリニック、児童発達支援事業所での勤務を経て、現在はフリーのカウンセラー、児童精神科の心理士として活動中。またマインドバディ株式会社をはじめとする複数の会社とライター契約し、心理学やメンタルヘルス、ライフスタイルに関するライター活動も行っている。

認知行動療法にもデメリットがある

認知行動療法は、エビデンスに基づいた心理療法です。

薬物療法と同等の効果も期待されており、再発予防としても活用されています。まずは、認知行動療法について理解を深めていきましょう。

認知行動療法とは

認知行動療法とは、うつ病や不安障害など、精神疾患を抱える患者の治療法としてだけでなく、ストレスや不安を軽減したい人たちにも適している方法。

もともとは、認知療法と行動療法というそれぞれの心理療法の共通点を活かした治療法が認知行動療法です。

出来事の捉え方(認知)と行動に働きかけることで、瞬間的に考えること(自動思考)の修正を行います。

認知行動療法の治療目的

認知行動療法の目的は、物事の考え方や捉え方(認知)を修正し、問題解決を目指すこと。

人々の感情や行動は、認知の影響を受けています。認知を修正することで、気分が楽になり、生きやすくなる状態を目指すことが認知行動療法の目的。

認知行動療法は、医師や心理士など支援者側だけでなく、患者側も目的を明確にすることで治療関係を強化します。

認知行動療法のメリット

認知行動療法のメリットはさまざまですが、特に以下の4つがあげられます。

1.わかりやすい構造で取り組みやすい
2.副作用がない
3.薬物療法と同等の効果が得られる
4.予防および再発予防に役立つ

認知行動療法は、治療者と患者とが協力して行われる方法です。

治療構造が明確化されていることで、患者は先の見通しを立てたり、自分がどのくらい取り組んできたかを認識できます。認識できることで、「何のために認知行動療法を受けているか」「なぜ定期的に話をしているか」を理解できるのです。

効果があるのに、なぜデメリットもある?

認知行動療法にデメリットが存在する理由は、精神状態や経済状況によっては負担に感じる方もいるからです。

次の項目で詳しく解説しますが、認知行動療法は自分と向き合う治療法であり、時間のかかる方法のため、心的負担や費用面でデメリットを感じる人は一定数います。

また、そもそも何をするかわからないことから「本当に効果があるのか」と疑う人も多いそうです。

多くの場合は、認知再構成法から取り組み、必要に応じてほかの手法を用いています。

まずは認知再構成法について理解を深めるといいでしょう。認知再構成に関しては、関連記事がありますので合わせて参照ください。

認知行動療法のデメリット5選

さまざまなメリットのある認知行動療法。

しかしながら、いくつかのデメリットもあります。認知行動療法を実施する前に、デメリットを理解しておきましょう。

紹介するデメリットは以下の5つです。

1.症状の程度によっては受けられない
2.治療効果が出るまで時間がかかる
3.自費診療が多く費用が高い
4.主体的に治療に取り組む必要がある
5.向かない人もいる

デメリット①:症状の程度によって受けられない

認知行動療法は、自身の認知を修正するために問題点と向き合う必要があります。

患者の状態が著しく悪い場合、認知の歪みが深く、思考力の低下の恐れもあるのです。特に思考力が低下していると、考えたくても正常な判断ができません。

考えすぎることで疲れてしまうデメリットもあります。考えられず、疲れる状態が続くとますます「自分はできないんだ」と評価してしまい、状態が悪化する恐れも。

本人が認知行動療法を求めても、精神状態があまりにもよくない場合は、先に薬物療法が開始されます。

デメリット②:治療効果が出るまで時間がかかる

認知行動療法の回数は、5〜20回です。厚生労働省「うつ病の認知療法・認知行動療法 治療者用マニュアル」では16回程度と記載されていました。

しかし、相談内容や本人の精神状態、通う頻度や治療方針によってさらに長くなる場合もあります。

たとえば週1回通える人と、2週間に1回通える人では治療終了までの期間が違うということ。薬物療法と異なり、効果が実感できるまでに時間を要するのは認知行動療法のデメリットです。

デメリット③:自費診療が多く費用が高い

特定の精神疾患患者の認知行動療法は、2016年に保険適用の条件が緩和されています。

しかし、以下の条件が整っている医療機関が少なく、多くのクリニックでは自費診療で心理士が実施する場合が多いです。

・実施担当が医師、もしくは医師及び看護師
・1回30分以上
・16回まで
・特定の精神疾患患者のみ
・厚生労働省のマニュアルに沿って実施

日本の医療では、認知行動療法に詳しい治療者の多くは臨床心理士・公認心理師となっています。

認知行動療法に詳しくて、一定の時間をとれる医師や看護師が少ないため、自費診療の病院が多いのが現状。

自費診療の場合、1回あたりの費用相場は5,000〜15,000円とされています。

デメリット④:主体的に治療に取り組む必要がある

治療に対して前向きではない場合、治療者と患者の協力関係を強化できません。

認知行動療法はただ単に治療者のいう通りにすればいいのではなく、自ら主体的に治療に取り組む姿勢が必要。

また、本人は無自覚な場合が多いですが「困っているけど、今の状態を変えたくない」という人もいます。

実施には前向きだけど、変化に不安や抵抗があり、適応的思考をなかなか受け入れられない場合は20回以上の時間を要するかもしれません。

デメリット⑤:向かない人もいる

上記で解説した「症状・状態が悪い」「治療に前向きではない」以外にも向かない人の特徴があります。

認知行動療法が向かない人の特徴は以下の3つです。

・問題点に向き合うのが苦しい人
・環境調整が整っていない人
・受け身状態の人

認知行動療法は、精神疾患ではないストレス軽減や不安解消を目指している人にも効果的な方法。考える力や積極的に取り組む姿勢が必要とされています。

しかし、今「向かない人」に当てはまっているから一生実施できないわけではありません。

薬物療法で症状の改善を目指していき、必要に応じて認知行動療法に取り組んでみましょう。

デメリットがあっても認知行動療法は受けた方がいい?

デメリットがあっても、認知行動療法のメリットは大きく、さまざまな研究から以下の効果が実証されています。

・薬だけでは改善しなかった患者が、認知行動療法も受けて症状が軽減した
・ストレスへの対処が身につき、心が安定するようになった

アメリカで誕生した心理療法のため、日本人には「合わないのでは」という指摘もあります。しかし、治療者や研究者が、日本人にも効果が期待できると実証しているのです。

また、心理士は基本的にアドバイスをすることはありませんが、認知行動療法では必要に応じて考え方や役立つ情報のヒントを与えてくれます。

認知行動療法を受けられる場所は?

認知行動療法は、本やワークシートでも取り組めますが、専門家から受けることが一番有効。

さまざまな場所に専門家がいますので、下記の場所を参考に、自分に合う方法を選んでみてください。

1.クリニックなど医療機関
2.私設のカウンセリングルーム
3.オンラインカウンセリングサービス

認知行動療法が受けられる各場所について、詳しく解説します。

場所1.クリニックなど医療機関

病院やクリニックなど、医療機関で認知行動療法は受けられます。

しかし、どこでも受けられるわけではありません。保険適用のクリニックを探すとなると、お近くには医療機関がない人も多いですよね。

自費診療でもいいという人は、臨床心理士や公認心理師のいる精神科や心療内科であれば、認知行動療法を受けられる可能性が高くなります。

また「集団認知行動療法」というプログラムを集団形式で行なっている病院もあるので、医師や心理士に相談しながら検討してみてください。

場所2.私設のカウンセリングルーム

カウンセリングルームとは、医師などはおらず、心理職のみの施設で心理士1名で運営しているケースもあります。

全地域にあるわけではないですが、「○○(地域名) 認知行動療法 カウンセリング」などと検索するとお近くのカウンセリングルームが見つかるかもしれません。

カウンセリングルームで受けるメリットは以下の3つです。

・薬物療法は必要ではない人も受けられる
・医療機関よりも敷居が低い
・悩み相談の対応幅が広い(例:恋愛や子育て相談など)

医療機関は病気の治療が目的ですが、カウンセリングルームは今より「生活しやすい考え方や捉え方を手に入れる」というイメージがぴったりかもしれないですね。

場所3.オンラインカウンセリングサービス

近年、オンラインカウンセリングサービスを提供する企業が増えています。

下記にまとめたオンラインカウンセリングのメリットを参考にしてみてください。

・好きな場所で好きな時間に受けられる
・クリニックやカウンセリングルームよりも敷居が低い
・海外在住者も受けられる
・リラックスして話せる
・多少、費用相場が安い

マインドバディもオンラインカウンセリングサービスの1つです。

マインドバディは認知行動療法に特化したサブスク。オンラインカウンセリングとアプリを組み合わせ、続けやすい環境を整えています。

認知行動療法やオンラインカウンセリングサービスに関心のある人は、マインドバディの無料体験をお試しください。

デメリットよりメリットが大きい!認知行動療法を受けよう

認知行動療法にはデメリットもありますが、対象者であればメリットの方が大きい治療法です。

治療法と説明していますが、精神疾患ではない人にも有効とされています。ストレスを抱えやすく、経験した出来事や経験を引きずりやすい人にピッタリであり、終了後も自分の力に変えられる方法です。

マインドバディでは、国家資格を持つ認知行動療法の経験者と共に実践できます。

1人ひとりの悩みや症状に合わせた認知行動療法が、オンラインカウンセリングとアプリの両方で受けられるので、ぜひご活用ください。

認知行動療法を受けて、生きやすい柔軟な考え方や捉え方を手に入れましょう。

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