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不安障害に認知行動療法は有効?自分で行うやり方を3つの手順で説明!

不安障害 認知行動療法
更新日:2024/05/24

不安障害に認知行動療法は有効?自分で行うやり方を3つの手順で説明!

「明日は大切な試験の前日で、心配事が沢山思い浮かぶ。」

このように、何か重要な出来事がある前に不安になるという経験はだれしもあるのではないでしょうか。

しかし、不安が合理的な理由がないにもかかわらず湧き上がってしまったら不安障害かもしれません。不安障害における有効な心理療法の一つに認知行動療法があります。

本記事では認知行動療法について学び、セルフケアとして行える方法をご紹介します。

  • 不安障害、特にパニック症、広場恐怖症、全般性不安症の特徴
  • 認知行動療法の基本的な考え方
  • セルフワークで認知行動療法をする方法

不安障害には種類が3種類ある

アメリカ精神医学会の発効している精神疾患の分類と診断の手引きの中では、不安障害を「不安症/不安障害群」と位置づけていくつかの種類に分類しています。

最終的な診断や、詳しい状況は専門家に直接会って話を聞いてもらい判断してもらう必要があります。

①パニック症(パニック障害)
②広場恐怖症
③全般不安症

不安障害の種類①パニック症(パニック障害)

パニック症(パニック障害)はパニック発作と唐突に高まる不安で特徴づけられます。パニック発作は特に何もない状態や、不安状態から唐突に以下の症状が現れます。

  • 動悸
  • 発汗
  • 身震い又は震え
  • 息切れ感
  • 窒息感
  • 胸痛または胸部の不快感
  • 嘔気または腹部の不快感
  • めまい感
  • 寒気または熱感
  • 異常感覚
  • 現実感消失
  • 抑制感を失う又は”どうにかなってしまう”ことに対する恐怖
  • 死ぬことに対する恐怖

出典:【書籍】DSM‐Ⅴ 精神疾患の分類と診断の手引き

この中から4つ以上症状を伴う場合、パニック発作であることが考えられます。いつも通り普通に生活しているのに急に「死んでしまうのではないか、死んでしまうことが怖い」等の考えが急に浮かび、それに伴い心臓がドキドキして、呼吸が苦しくなる感覚やめまいを伴うという状況が考えられます。

不安障害の種類②広場恐怖症

広場恐怖症は強い不安があるときにすぐに逃げられないことに対する強い不安に特徴づけられる不安障害です。

  • 公共交通機関の利用(例:自動車,バス,列車,船,航空機)
  • 広い場所にいること(例:駐車場,市場,橋)
  • 囲まれた場所にいること(例:店,劇場,映画館)
  • 列に並ぶまたは群衆の中にいること
  • 家の外に一人でいること

出典:DSM‐Ⅴ 精神疾患の分類と診断の手引き

これらの場所にいると、当惑するような状況になってしまったときに脱出が困難で援助が受けられないということに不安になります。当惑するような状況として想定されるのは、高齢者であって転倒の恐れや、失禁の恐れなどがあります。

不安障害の種類③全般不安症

全般不安症は、日常生活上の色々な活動についての過剰な不安と心配が続く状態です。

全般不安症は以下の6つの症状のうち3つ以上が当てはまります。

  • 落ち着きのなさ、緊張感、神経のたかぶり
  • 疲労のしやすさ
  • 集中困難、または心が空白になること
  • 易怒性
  • 筋肉の緊張
  • 睡眠障害(入眠または睡眠維持の困難、またはおちつかず熟眠感のない睡眠)

出典:DSM‐Ⅴ 精神疾患の分類と診断の手引き

全般不安性は日常生活における色々な活動にまたがって不安を感じてしまい、その抑制が困難になるケースです。

認知行動療法とは

不安障害に有効な治療法の一つとして認知行動療法が挙げられます。認知行動療法では、現実的に直面している問題に焦点を当て、その問題の解決を目指します。

認知行動療法は刺激、反応、結果のモデルで考える

認知行動療法においては、大きく刺激‐反応‐結果‐新たな刺激というモデルを想定します。例えば以下のようなイメージです。

  • 他人から手を振られる(刺激)
  • 手を振り返す(反応)
  • 相手が笑顔になる(結果)
  • おはようと言われる(新たな刺激)

認知行動療法がアプローチする4つの側面

反応は「認知」「感情」「身体」「行動」というこの4つの要素の相互作用で考えます。

例えば、夫の返事が遅れると不倫しているかもと考えてしまう心配性の妻の例を考えてみましょう。「夫に送ったメッセージに既読が付かない」というのが刺激になります。

これに対して「自分とは別の女の人と遊んでいる」という認知、それに基づいた「怒り」、「そわそわしてしまう」等の身体反応、「相手が電話に出るまでなんでもかけてしまう」という行動という要素に分けて反応を考えます。

認知と行動に働きかける

認知行動療法では、前述した4つの側面の中の「認知」や「行動」の部分にアプローチをかけていきます。

ここで、「嫌な人の顔を見ると、自分も陰で悪口を言われているという考えになり、イライラしたり吐き気が出る」という例を考えてみましょう。

刺激:嫌な人の顔をみる

認知:自分も陰で悪口を言われていると思う

身体反応・感情:イライラ、吐き気

認知にアプローチするとは、「自分も陰で悪口を言われている思う」を変化させていくことになりますが、認知は小さなときからの経験で培われてきた根強い信念であることが報告されています。

自動思考をキャッチする

ある出来事から自動的に浮かんでくる考えを「自動思考」といいます。この自動思考は様々な要因が絡まりあって形成されているので、変化を起こすには本格的な認知行動療法を行うことが必要です。

しかし、自動思考は通常「これは自動思考だな」と意識されることもなく、自らの中に組み込まれています。

カウンセラーと行う認知行動療法でも、セッションの序盤では自動思考を自動思考であると理解するところから始まります。

具体的な出来事を取り上げて自動思考をキャッチするというのはセルフワークでも十分に行えます。

不安障害の人がセルフワークで認知行動療法を行うやり方

セルフワークで認知行動療法を行う際は、自動思考をキャッチするというところを意識しながら行うと効果的です。「不安」にも利用できますので試してみて下さい。

セルフワークで行える認知行動療法は色々な種類の手法が開発されています。今回は「認知再構成法」という手法を取り上げます。

①用紙を用意する
②出来事を書き入れる
③感情を書き入れる
④考えを書き入れる
⑤根拠を書き入れる
⑥反証を書き入れる
⑦別の考えを書き入れる
⑧その後の感情

やり方①用紙を用意する

まずワークシートを作成します。コピー用紙などにまとまった文章をかけるスペースを作って7つに分けてください。

そこに①出来事②感情③考え④根拠⑤反証⑥別の考え⑦その後の感情という見出しを書きます。

やり方②出来事を書き入れる

認知再構成法では、具体的な出来事を一つ決めます。具体的な出来事を一つ想定して書き入れてみてください。

今回は「夫にメッセージ送ったけれども、それが既読にならずに返事が仕事の退勤時間を2時間過ぎても返ってこない」という設定にします。

やり方③感情を書き入れる

①で書き入れた出来事の時に、どのような感情になったのか書いてみましょう。

設定した例で書き入れるならば「怒りがこみあげてきてしまいイライラしてしまう」等です。

やり方④考えを書き入れる

どうしてそのような感情になったのか、その時考えていたことを書きます。

ここが自動思考になります。その時のことを振り返ってどのようなことを考えていたのか書いてみましょう。

例に対して書き入れるならば「不倫しているから見て見ぬふりをしている」のようなイメージになります。

やり方⑤根拠を書き入れる

前述した思考になった根拠を書きます。箇条書きでも構いません。

例に対して根拠を書くならば「モテる」「できる男として評判になっている」というような感じです。

やり方⑥反証を書き入れる

根拠に対して、事実を取り上げながら反論を行います。

先ほど例に対して反論をしてみると、「かなり忙しく残業が続いている」「家でご飯を食べている」等の事実を取り上げて反証を行っていくことになります。

やり方⑦別の考えを書き入れる

根拠に対する反証をうけて、想定できる別の考えを取り上げてみる項目です。

例えば「残業が続いており、会議などに入っていてスマホを見る時間がない」といったことが考えられます。

やり方⑧その後の感情

仮に⑦で書き入れた別の考えになるとすれば、どのような気持ちになるのかを想像しながら書き入れてみましょう。

⑦の例をうけて考えるならば「待っていれば返事が返ってくるだろう」のような感じです。

認知行動療法を行うなら専門家に相談するのがベスト

不安障害に対してもある程度セルフワークとして認知行動療法を行うことができます。しかし、自動思考の成り立ちというのは、性格など多くの複雑な要因が絡まりあっています。

うまくできない場合は、ネガティブな感情を悪化させてしまうことも考えられます。

セルフワークで行う認知行動療法は多くのリスクも含まれています。医療機関に行くことに抵抗があるのならば、まずはカウンセリングルームなどで専門家と一緒に認知行動療法を行っていくことをお勧めしています。

専門家と一緒に認知行動療法を受けるならばマインドバディがおすすめです。

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不安障害の人はセルフワークでの認知行動療法のやり方を参考にしたり、専門家に相談して対処しよう

不安障害は様々な原因で起こる不安が、コントロール不可能な状態になってしまうということを、実際の診断基準を挙げながら説明を行いました。

不安障害においても、認知行動療法は有効です。不安が起きた状況を具体的に取り上げて「認知」や「行動」にアプローチすることで症状を軽減させていきます。

専門家とともに認知行動療法を行うことが推奨されますが、セルフワークで行うことも可能です。

セルフワークとして認知行動療法を行う場合は、認知再構成法を導入してみましょう。本記事に書かれているステップを参考に行ってみてください。

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